偽造された運転免許証やマイナンバーカードを窓口に出し、他人の名前で口座を開く。できた口座は特殊詐欺の振込先や、だまし取ったお金の中継に使われます。精巧な偽造が増えた今、窓口の担当者が券面を目で見て止めるには限界があります。

本記事では、金融機関の金融犯罪対策・事務統括・営業店の責任者に向けて、不正な口座開設の手口、金融庁・警察庁が求めてきた対策、券面確認の限界、ICチップの読み取りで防げること・防げないこと、そして2027年4月1日から窓口の本人確認がどう変わるかを、法令と警察庁のQ&Aをもとに整理します。

結論:券面の目視では止まらない偽造を、ICチップの読み取りと券面の照合で止める

偽変造された本人確認書類によるなりすましを防ぐ手段として、犯罪収益移転防止法(犯収法)の施行規則が改正され、2027年4月1日から、窓口で写真付き・ICチップ付きの本人確認書類の提示を受ける場合は、ICチップに記録された氏名・住居・生年月日・写真を装置で読み取って画面に表示する方法が原則になります(施行規則第6条第1項第1号イ)[e-Gov法令検索]。警察庁のQ&Aは、読み取ったICチップの情報と券面を照合することが改正の趣旨であり、照合まで行う必要があると答えています(No.12)[警察庁]。

ICチップの読み取りで防げるのは、偽変造した書類と、他人の本物の書類を使ったなりすましです。本人が自分の書類で口座を作り、通帳やキャッシュカードを売り渡す手口は読み取りでは止まらないため、取引を行う目的や職業の確認、取引のモニタリング、疑わしい取引の届出と組み合わせる必要があります。

この対策は施行を待つ必要がありません。警察庁のQ&Aは、施行前にICチップ付きの写真付き本人確認書類の提示を受けてICチップを読み取る方法で確認し、記録を残していれば、施行後も改めて取引時確認をやり直す必要はないとしています(No.1)[警察庁]。

不正な口座開設の手口:偽造書類、なりすまし、口座の売買

不正な口座開設の3つの手口とICチップ読み取り。偽変造した書類、ICが読めない・不一致、読み取りで検知できる。他人の本物の書類、ICの写真と本人を照合、照合を省くと防げない。本人による口座売買、書類も本人も本物、目的・職業の確認で対応
犯罪収益移転防止法第4条・第8条・第26条と、警察庁の改正に係るQ&A(No.12・No.25)による。口座売買の罰則は2026年7月10日に引き上げられた。

銀行の窓口が直面する不正な口座開設は、大きく3つの手口に分かれます。

手口窓口で起きることICチップの読み取りで
偽変造した書類存在しない人物や他人の氏名・住所を印刷した運転免許証・マイナンバーカード・在留カードを提示する券面とICチップの不一致、または読み取り不能で検知できる
他人の本物の書類盗んだ・拾った・譲り受けた書類を本人になりすまして提示するICチップの写真と目の前の人物の照合で検知できる
本人による口座の売買本人が自分の書類で口座を開き、通帳・カード・ログイン情報を第三者に渡す書類は本物で本人なので検知できない。取引目的・職業の確認とモニタリングで対応する

警察庁は2025年12月4日、対面の本人確認にICチップの読み取りを義務づける施行規則の改正案を公表しました。時事通信の報道によると、偽造・変造された身分証で開設された口座が悪用されており、2024年には偽造運転免許証による不正な口座開設の検挙が67件あったと説明されています[時事通信]。事業者から漏えいした本人確認書類の画像が、偽造の素材として使われるおそれも指摘されています。こうしたケースは個人名義の口座に限らず、会社などの法人名義の口座でも問題になっており、後で紹介する金融庁・警察庁の要請は法人口座を名指ししています。漏えいした免許証画像によるなりすましへの店頭の備えは、免許証の画像が漏えいしたら?流出情報によるなりすましを店頭受付で防ぐ事業者の対策で解説しています。

口座の売買は、買い受けた側も売り渡した側も犯収法の処罰対象です。他人になりすまして預貯金契約のサービスを受ける目的で預貯金通帳等を譲り受けた者、その情を知って譲り渡した者は、3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金またはその併科、業として行えば5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、勧誘や広告で誘った者も同じ刑です(法第26条)[e-Gov法令検索]。この法定刑は2026年6月10日に公布された改正で引き上げられたもので、同年7月10日から施行されています[神奈川県警察]。

金融庁と警察庁が銀行に求めてきたこと

口座の不正利用を防ぐ要請は、ここ数年で段階的に強まっています。

時期発出元内容
2024年6月18日犯罪対策閣僚会議「国民を詐欺から守るための総合対策」法人口座を含む預貯金口座等の不正利用を防止するための取引時確認の一層の厳格化等を推進[内閣官房]
2024年8月23日金融庁(警察庁と連名)全国銀行協会など9団体に「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」。口座開設時の不正利用防止と実態把握の強化など6項目[fsa.go.jp]
2025年4月22日犯罪対策閣僚会議「総合対策2.0」預金取扱金融機関の間で不正利用口座の情報を共有し、速やかに口座を凍結できる枠組みの創設を検討[内閣官房]
2025年9月12日警察庁・金融庁「法人口座及びインターネットバンキングの利用を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」。口座開設時の対策、多層的な検知、警察への情報提供など8項目[警察庁]
2025年12月〜2026年3月警察庁対面のICチップ読み取りを原則とする施行規則改正案の意見募集(2025年12月5日〜2026年1月3日)、2026年3月6日に令和8年第1号として公布[警察庁][警察庁]
2026年10月9日金融庁「現下の情勢を踏まえたサイバーセキュリティ対策の強化と各種取引申込等における対応について」。非対面の本人確認で書類画像と容貌画像の不自然な点を改めて確認し、施行日を待たずICチップ読み取りへ可及的速やかに移行[fsa.go.jp]

2024年8月と2025年9月の要請の宛先は、全国銀行協会などの業界団体と、ゆうちょ銀行・農林中央金庫・商工組合中央金庫の9団体です。いずれも1番目の項目に「口座開設時における不正利用の防止と実態把握の強化」を置いており、政府の総合対策とあわせて、口座開設の入口での確認を重要な対策と位置づけています。窓口の本人確認は、その入口にあたります。2026年10月の金融庁の注意喚起は非対面を対象にしたものですが、3メガバンクはネット口座開設の免許証撮影方式を相次いで廃止し、免許証で申し込む人には来店を案内する銀行もあると報じられています(共同通信、2026年10月23日)[共同通信]。今後、非対面の入口を閉めるほど、窓口に向かう偽造書類は増えると考えておくべきです。

券面の目視確認はどこまで通用するか

現行の施行規則では、対面の本人確認は写真付き本人確認書類の提示を受ける方法で足ります(現行の第6条第1項第1号イ)[e-Gov法令検索]。窓口を担当する職員は、券面の顔写真と本人を見比べ、ホログラムや印字、厚みなどを目で確かめてきました。

この方法には3つの限界があります。第一に、偽造の精巧化です。警察庁の改正案の報道では、偽造技術の向上で対面でもなりすましを見抜きにくくなったことが背景とされています[時事通信]。第二に、担当者による差です。真贋の見分け方は研修と経験に左右され、繁忙時間帯や新人の窓口では見落としが起きます。第三に、記録が残らないことです。目視で「問題なし」とした判断は、後から不正が明らかになったときに検証できず、どの書類をどう見たのかを具体的に示せません。

偽造書類の特徴を機械で判定する装置を置く方法もありますが、券面の印刷の特徴を見る仕組みは、新しい偽造手口が出るたびに追いかける必要があります。ICチップは暗号技術で保護された記録で、券面の印刷と違って複製が難しいため、法令はICチップの読み取りを原則としました。読み取りは端末の操作で行い、結果は画面に表示されるので、担当者の経験に左右される部分を減らせます。運転免許証とマイナンバーカードの偽造を見分ける券面のチェック項目は、偽造免許証とは?問われる罪と、受付での見分け方とマイナンバーカードの偽造の見分け方は?にまとめています。

ICチップの読み取りで防げること・防げないこと

ICチップの読み取りを窓口に入れると、何が変わるのかを分けて考えます。

観点読み取りで防げる読み取りだけでは防げない
偽変造した書類ICチップが読めない、または券面と内容が一致しない―
他人の本物の書類ICチップの写真と本人の顔を見比べられる写真との照合を省くと防げない
本人による口座の売買―取引目的・職業の確認、モニタリング、届出が必要
住所の偽りICチップの住居と券面の住居を照合できる住所変更の直後で券面だけ新住所の場合は追加の確認が要る(Q&A No.13)

券面情報とICチップ情報が一致しない場合は、書類が偽変造されたものであることが考えられます。警察庁のQ&Aは、取引の相手方が第三者になりすましている疑いがある場合は警察等へ通報するよう求めています(No.25)[警察庁]。

一方で、本人が自分の書類で口座を開く場合、ICチップは本物で写真も一致します。ここを止めるのは、取引時確認のうち本人特定事項以外の項目です。犯収法第4条第1項は、本人特定事項に加えて取引を行う目的、職業(法人は事業の内容)、法人の実質的支配者の確認を求めています[e-Gov法令検索]。具体的には、口座開設の目的と職業に不自然な点がないか、短期間に複数の口座を開いていないか、開設後すぐに不特定多数からの入金が始まっていないかを、窓口の確認と取引のモニタリング(継続的な顧客管理)の両方で見ます。疑わしい取引に当たると判断したときは、法第8条に基づく届出を行います。取引時確認と本人確認の違いは、取引時確認と本人確認の違いとは?で解説しています。

2027年4月1日から、窓口の本人確認はこう変わる

2027年4月1日から変わる窓口の確認方法。写真・IC付き、提示+IC読み取り、券面と照合して完了。写真付き・ICなし、提示を受ける、転送不要郵便等を送る。写真なし・IC付き、ICを読み取る、転送不要郵便等を送る
犯収法施行規則第6条第1項第1号イ・ロ(令和8年第1号、2027年4月1日施行)と警察庁のQ&Aによる。旅券の住居は別の本人確認書類か補完書類で確認する(No.9)。

銀行の窓口で取引時確認が必要になる主な取引は、預貯金契約の締結(口座開設)、融資、200万円を超える現金の受払い、10万円を超える現金振込、貸金庫、保護預りなどです(施行令第7条第1項第1号)[e-Gov法令検索]。2027年4月1日以降、これらの取引で本人特定事項を確認する方法は、提示を受ける書類によって次の一覧のとおり変更されます。

提示を受ける書類2027年3月31日まで2027年4月1日から
写真付き・ICチップ付き(運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書、旅券など)提示を受ける提示を受け、ICチップの氏名・住居・生年月日・写真を読み取って画面に表示し、券面と照合する
写真付き・ICチップなし(身体障害者手帳、運転経歴証明書など)提示を受ける提示を受け、住居あてに取引関係文書を転送不要の書留郵便等で送る
写真なし・ICチップ付き(16歳未満の在留カードなど)提示+転送不要郵便等ICチップの氏名・住居・生年月日を読み取り、住居あてに転送不要の書留郵便等で送る

旅券は特定半導体集積回路付き本人確認書類に含まれますが、ICチップに住居が記録されていないため、氏名・生年月日・写真を読み取ったうえで、住居は現在の住居が記載された他の本人確認書類か補完書類で確認します(Q&A No.5・9・11)[警察庁]。書類ごとに読み取りに必要な暗証番号や番号が違い、運転免許証は写真まで読むために暗証番号を2つ入力してもらいます。書類別の違いは本人確認書類4種類のICチップ読み取り方式の違いに、読み取りから記録までの手順は対面本人確認でICチップを読み取る手順にまとめています。

読み取りに使う装置やアプリは官公庁のものに限らず、民間企業のアプリも使えます。デジタル庁の「マイナンバーカード対面確認アプリ」のほか、地方公共団体情報システム機構の券面事項表示ソフトウェアや、民間のアプリを活用できます(No.20〜22)。マイナンバーカードの署名用電子証明書による認証(公的個人認証)の方法も、対面で使うことが可能です(No.26)[警察庁]。ただし、なりすまし防止の観点から、読み取りは特定事業者が用意した端末で行い、顧客が持ち込んだ装置の利用を認めない扱いもできます(No.14・15)。読み取った情報を画面に表示する装置は、読み取り装置と別の端末でもかまいません(No.14)。読み取り装置の不具合で読めないときは、合理的な期間内に読み取れば取引時確認を完了できます(No.18)[警察庁]。

確認記録の作成方法と記録事項は改正後も変わらず、ICチップの情報や読み取りのログを記録する義務はありません(No.39)。読み取った情報をホストなどへ送信する必要もありません(No.41)。ICチップを読み取って画面に表示した結果を印刷したものは「本人確認書類の写し」には当たらないので、提示を受けた日時の記録や書類の名称・記号番号の記録は従来どおり必要です(No.40)[警察庁]。読み取ったデータや読み取りのログを任意で残す場合は、個人情報として安全に管理する規程も用意します。銀行の窓口と渉外先で取引の種類ごとに何が変わるかは、銀行窓口の本人確認は2027年4月からどう変わる?で詳しく整理しています。

法人口座・代理人・ハイリスク取引の確認

法人口座の不正利用は、金融庁・警察庁の要請が繰り返し名指ししている領域です。企業などの法人との取引では、法人の本人特定事項に加えて、窓口に来た代表者や担当者(代表者等)の本人特定事項を確認します(法第4条第4項)[e-Gov法令検索]。2027年4月1日以降は、代表者等についても、ICチップ付きの写真付き本人確認書類の提示を受けるだけでなくICチップの読み取りが必要です(Q&A No.35)。代表者等がICチップのない書類を提示した場合は、その住所あてに転送不要郵便等を送るか、役職員が本店等に赴いて取引関係文書を交付します(No.36)[警察庁]。

委任を受けた代理人が窓口に来る場合は、委任者の本人確認書類と代理人の本人確認書類の両方のICチップを読み取ることが原則になります(No.23)。なりすましや偽りの疑いがある取引、特定国等に関わる取引などのハイリスク取引では、関連する取引時確認で使った書類と異なる書類を1つ以上確認します。マイナンバーカードをICチップの読み取りで確認した場合、追加の確認は運転免許証の券面情報の確認で足ります(No.37)[警察庁]。

既に取引時確認を行い、確認記録を保存している顧客との取引は、新たな取引時確認は不要です(法第4条第3項)。ただし、なりすましや偽りの疑いがあるときはこの限りではなく、ハイリスク取引として改めて確認します(法第4条第2項)[e-Gov法令検索]。

窓口で偽変造やなりすましが疑われたときの対応

ICチップの読み取りを入れると、「読めない」「一致しない」という結果が窓口で出るようになります。あらかじめ対応を決めておきます。

1

読めない: 装置の不具合か、書類のICチップの故障か、偽造かを切り分ける。装置の不具合なら合理的な期間内の再読み取りで足りる(No.18)。暗証番号が分からない場合の案内は本人確認で暗証番号が分からないときの対応を参照する

2

券面と一致しない: 偽変造の可能性がある。書類を返却する前に責任者へつなぎ、提示を受けた日時・書類の種類・不一致の内容を記録する(No.25)

3

写真と本人が一致しない: 他人の書類によるなりすましの可能性がある。取引を謝絶するかの決定は責任者が行い、記録を残す

4

警察への通報と届出: 第三者になりすましている疑いがあれば警察等へ通報し(No.25)、疑わしい取引の届出(法第8条)の要否を判断する

これらの判断を窓口担当者ひとりに負わせないよう、エスカレーションの手順と、謝絶するときの顧客への説明を手順書に書いておきます。

不正口座開設の対策を窓口に組み込む手順

窓口に対策を組み込む6つの手順。棚卸しと端末、対象取引と拠点を洗う、拠点ごとに端末を選ぶ。手順と記録、照合と謝絶の手順、日時と記号番号を残す。研修と案内、手口と限界を周知、書類と暗証番号を案内
金融庁2024年8月23日と警察庁2025年9月12日の要請、警察庁Q&A No.1・18・39による。施行前の読み取りも有効で、ログの保存は任意。

不正が発生してから手順を作るのでは遅れます。窓口に組み込むときのポイントは次の6つです。

1

対象取引と拠点の棚卸し: 口座開設、融資、貸金庫、200万円超の現金取引を扱う窓口と、渉外・ローンプラザ・出張所など専用装置を置きにくい拠点を洗い出す

2

読み取り端末の選定: 専用の読み取り装置、タブレット、業務用のスマートフォンや決済端末のどれを使うか、拠点ごとに決める。顧客の端末は使わない

3

手順書の改定: 読み取り→券面照合→顔の照合→記録の順序、読めない・一致しないときのエスカレーション、代表者等・代理人の扱いを書く

4

確認記録の見直し: 提示を受けた日時、書類の名称と記号番号を残せる様式にする。ICチップ読み取りの証跡を任意で残すかを決める(No.39)

5

研修: 偽変造の手口、ICチップで防げること・防げないこと、取引目的・職業の聞き方を営業店に周知し、新しい手口が分かれば研修の内容を更新する

6

顧客への事前案内: 2027年4月以降に必要な書類と暗証番号を、店頭掲示やウェブサイトで案内する

先行する銀行の事例も紹介します。千葉銀行は2026年4月25日から、営業店の対面取引で店頭タブレットとICカードリーダーを使い、ICチップの読み取りと容貌の撮影を組み合わせた本人確認を始めました(IT Leaders、2026年4月27日)[IT Leaders]。

専用装置を置かない拠点でICチップを読み取る金融機関の方へ

マイナドライブIDは、三井住友カードの決済端末stera(stera terminal standard・stera terminal unit・stera terminal mobile)と、Androidのスマホ・業務用ハンディ端末で使える本人確認の業務アプリです。お客様がカードをかざして暗証番号を自分で入力し、運転免許証(暗証番号2も入力すると顔写真)、マイナ免許証、マイナンバーカード(券面の14桁の番号で読むと顔写真も)、在留カード・特別永住者証明書(券面の12桁の番号で記載事項と顔写真。氏名は文字で表示しません)のICチップの情報を画面に表示して、券面・ご本人と見比べられます。暗証番号の値、ICチップの生データ、標準運用での顔写真画像は基幹システムへ送りません。旅券には対応していません。

真贋判定の専用機ではなく、ICチップの読み取りと照合を、渉外先・出張所・ローンプラザ・グループ会社の店頭など専用装置を置かない拠点で行うための道具です。確認記録への残し方や行内規程への組み込みは、貴行の法務・コンプライアンス部門とご確認ください。導入相談の手順は次の4つです。

1

窓口以外でICチップの読み取りが必要になる拠点と取引を整理する

2

読み取る項目と、画面での照合の手順を決める

3

使うstera端末・Android端末と、既存システムとの連携の要否を確認する

4

マイナドライブIDのデモ・連携相談をこちらの申し込みフォームから申し込む

まとめ:読み取りで偽造を止め、目的と職業の確認で売買を止める

偽造された本人確認書類による不正な口座開設は、券面の目視だけでは止めきれません。2027年4月1日からは窓口でもICチップの読み取りと券面の照合が原則になり、偽変造した書類と他人の書類によるなりすましは検知できるようになります。本人による口座の売買は、取引目的・職業の確認、モニタリング、疑わしい取引の届出で対応します。施行前に始めた確認も有効なので、対象取引と拠点を棚卸しし、端末と手順書、疑わしいときのエスカレーションを早めに整えておくことが大切です。

FAQ

よくある質問

Q. 偽造された本人確認書類は、窓口でどのように見抜けますか。
券面の目視では精巧な偽造を見抜けないことがあります。ICチップを読み取り、氏名・住居・生年月日・写真を画面に表示して券面と照合すると、偽変造した書類は読めないか内容が一致しません。2027年4月1日からは、この方法が窓口の本人確認の原則になります。
Q. ICチップの読み取りで防げない不正はありますか。
本人が自分の書類で口座を開き、通帳やカードを第三者に売り渡す手口は防げません。取引を行う目的や職業の確認、取引のモニタリング、疑わしい取引の届出で対応します。ICチップの写真と本人の照合を省くと、他人の本物の書類によるなりすましも防げません。
Q. 2027年4月1日から銀行の窓口の本人確認は何が変わりますか。
写真付き・ICチップ付きの書類の提示を受けるときは、ICチップの氏名・住居・生年月日・写真を装置で読み取って画面に表示し、券面と照合します。ICチップのない書類を使う場合は、住居あてに取引関係文書を転送不要の書留郵便等で送る方法になります。施行前に始めた読み取りも有効です。
Q. 読み取ったICチップの情報と券面が一致しないときはどうしますか。
書類が偽変造されたものであることが考えられます。責任者につなぎ、提示を受けた日時・書類の種類・不一致の内容を記録し、第三者になりすましている疑いがあれば警察等へ通報します。疑わしい取引の届出の要否も判断します。
Q. 法人口座の開設では誰のICチップを読み取りますか。
窓口に来た代表者や担当者(代表者等)の本人確認書類のICチップを読み取ります。代表者等がICチップのない書類を提示した場合は、その住所あてに転送不要郵便等を送るか、役職員が本店等に赴いて取引関係文書を交付します。