「本人限定受取」と書かれた到着通知書が郵便受けに入っていた。差出人からは「本人限定受取郵便の基本型でお送りします」と案内されている。基本型は、本人限定受取郵便の3つの型のうち、郵便局の窓口で名あて人本人に渡す、いちばん基本の型です。通常の郵便と異なり、家族が代わりに受け取ることはできず、受け取りの際に持っていく書類にも決まりがあります。

本記事では、日本郵便のサービスページ、内国郵便約款、2026年9月14日公表の「本人限定受取郵便のサービスの見直し」をもとに、基本型の仕組み、受け取り方と必要なもの、使える本人確認書類、2027年4月1日からの変更点を整理します(2026年10月時点)。

結論:基本型は窓口で本人に渡す型。2027年4月から書類は4種類に、配達も選べる

  • 基本型は、郵便物を郵便局に留め置き、到着通知書を名あて人に送り、来局した名あて人本人(または差出人が指定した代人)に限って窓口で渡す型です。本人確認の情報は差出人に伝えません[日本郵便][日本郵便]。
  • 受け取りには、到着通知書、本人確認書類(写真付きの公的証明書1点、または写真のない公的証明書など2点)、印鑑(サインでも可)を持って、通知書に書かれた保管郵便局へ行きます[日本郵便]。
  • 2027年4月1日からは、本人確認書類が運転免許証・マイナンバーカード・在留カード・特別永住者証明書の4種類のうち1点に限られ、2点での確認は終わります。希望に応じて住所・居所への配達も行われるようになり、特例型は2027年3月31日で終了して基本型が案内されます[日本郵便]。

基本型とは:3つの型の中での位置づけ

本人限定受取郵便の3つの型。基本型、窓口で本人か代人に渡す、差出人への伝達なし。特例型、窓口か配達・書類1点、2027年3月31日で終了。特定事項伝達型、写真付き1点・配達も可、書類の番号などを伝達
日本郵便の本人限定受取郵便のページと2026年9月14日の公表資料による(2026年10月時点)。

本人限定受取郵便は、郵便物に記載された名あて人、または差出人が指定した代人1人に限って郵便物を渡すサービスです。差出人は、本人確認のレベル、配達の有無、本人確認情報を差出人に伝えるかどうかによって、基本型・特例型・特定事項伝達型の3つから選びます[日本郵便]。3つの型を次の表で比較します。内国郵便約款では、郵便物を郵便局に留め置き、到着通知書を名あて人に送って来局を待ち、名あて人本人に限り交付する取扱いが基本の形で、差出人が別記の「1」の書類で確認する取扱いを指定したものが基本型です[日本郵便]。

項目基本型特例型特定事項伝達型
郵便物を渡す場所郵便窓口郵便窓口、または名あて人本人に配達指定の郵便局の窓口、または名あて人本人に配達
本人確認書類写真付き公的証明書1点、または写真のない公的証明書など2点氏名・住所・生年月日の記載がある公的証明書1点氏名・住所・生年月日の記載がある写真付き公的証明書1点
代人の指定差出人が指定できる差出人が指定できるできない
差出人への伝達なしなし書類の名称・記号番号などを伝達
対応する法令電子署名法など-犯収法など
封筒の表示本人限定受取本人限定受取(特)本人限定受取(特伝)

2026年10月時点の日本郵便の案内による[日本郵便][日本郵便]。

日本郵便は、基本型を「電子署名及び認証業務に関する法律」などの関係法令に対応するサービス、特定事項伝達型を「犯罪による収益の移転防止に関する法律」などに対応するサービスと位置づけています[日本郵便]。基本型は本人確認書類の名称や記号番号を差出人に伝えないため、郵送での受け取りを犯収法の取引時確認として使うなら特定事項伝達型になります。型ごとの違いは、関連する記事の特定事項伝達型とはと特例型とはでも解説しています。

基本型で届く郵便物と封筒の表示

基本型の郵便物には、表面の見やすい所に「本人限定受取」またはこれに相当する文字が記載され、郵便局で表面中央部に朱色の二本線が表示されます。差出人が代人を指定した場合は、名あて人の氏名の横に「代人」の文字と代人の氏名・住所が記載されます[日本郵便][日本郵便]。「本人限定受取(特)」なら特例型、「(特伝)」なら特定事項伝達型です。

本人限定受取郵便にできるのは、自然人1人を名あて人とし、一般書留とした郵便物(手紙・はがき)で、ゆうパックやゆうメールなどの荷物には付けられません[日本郵便][日本郵便]。中身の内容は開けるまで分かりませんが、差出人の氏名と住所は封筒の外側に記載することになっているため、誰からの郵便物かは分かります[日本郵便]。差出人の立場では、確実に名あて人本人の手に渡したいものの、本人確認書類の情報までは受け取らなくてよい郵便物を送るときに使う型といえます。クレジットカードの申し込みのように、登録した住所が宛名に使われ、確認した書類の記号番号などを差出人が受け取る郵便物は、日本郵便が特定事項伝達型の注意点として挙げています[日本郵便]。特例型を使っていた差出人には、2027年4月以降は基本型の利用が案内されているため、これまで「(特)」の封筒で届いていた郵便物が基本型に変わることもあります[日本郵便]。

基本型の受け取り方:到着通知書が届いてから窓口まで

基本型の受け取りに必要なもの。到着通知書、郵便局から名あて人へ、保管郵便局が書かれている。本人確認書類、写真付き公的証明書1点、または写真なしなど2点。印鑑、サインでも可、受け取るのは本人か代人
保管期間は到着した日から10日間(内国郵便約款)。他の郵便局での受け取りは事前に申し込む。

基本型は、2026年10月時点では郵便窓口でのお渡しが原則です。流れは次のとおりです[日本郵便]。

1

郵便局から名あて人に到着通知書が届く

2

本人確認書類、印鑑(サインでも可)、到着通知書を用意する

3

名あて人本人(または指定された代人)が、通知書に書かれた保管郵便局の窓口へ行く

4

窓口で本人確認書類を提示し、郵便物を受け取る

差出人が発送した郵便物を保管郵便局以外の窓口で受け取りたいケースでは、通知書の記載を確認したうえで、Web申込か電話・FAXで連絡します[日本郵便]。窓口では、承諾を得たうえで本人確認書類のコピーがとられ、業務上不要な部分はマスキングされます。承諾しない場合は、法令等により利用が制限されているものを除き、記号番号等が記録されます[日本郵便]。控えられる番号の意味は本人確認書類の記号番号とはで解説しています。

郵便局に留め置かれる期間は、到着した日から10日間です。交通が不便で10日以内に来局できないと認められる地域では、2か月まで延長されることがあります[日本郵便]。家族や同居人が受け取れるのは、差出人が代人として指定している場合だけです。約款では、名あて人と代人が来局して受け取れないことにやむを得ない事由があると郵便局が認める場合に限り、基本型でも配達することがあるとされています[日本郵便]。受け取れないときの対処は本人限定受取郵便を受け取れない理由と対処法にまとめています。

基本型で使える本人確認書類(2026年10月時点)

基本型の本人確認書類は、氏名の記載があり、受け取る日に有効なものに限られます。日本郵便の一覧では、1点で足りる書類と、2点必要な書類に分かれています[日本郵便]。

  • 1点の書類: 運転免許証、個人番号カード(マイナンバーカード)、旅券(パスポート)、在留カード、特別永住者証明書、官公庁や独立行政法人などが職員に発行した写真付きの身分証明書、船員手帳、小型船舶操縦免許証、宅地建物取引士証など
  • 2点の書類: 介護保険の被保険者証、健康保険などに係る資格確認書、国民年金手帳、基礎年金番号通知書、年金証書、運転経歴証明書(2012年4月1日以降に交付されたもの)、写真付きの学生証・会社の身分証明書、療育手帳・身体障がい者手帳など

2025年12月2日以降、健康保険証(健康保険などの被保険者証)と共済組合員証は使えません[日本郵便]。写真のない書類で受け取るときは2点そろえる必要があり、基本型だけに残っている確認方法です。

宛名と書類の氏名および住所の記載が違うと渡せない場合があるため、集合住宅の名称や部屋番号まで含めて、宛名と書類の記載が合っているかを確認してください[日本郵便]。約款では、提示された書類で名あて人であることを確認できないときに、他の書類を提示するか、名あて人であることを確認するために十分な事実を申し述べる方法が定められています。この方法があるのは基本型と特例型で、特定事項伝達型にはありません[日本郵便]。

2027年4月1日から基本型はどう変わるか

2027年4月1日からの基本型の変更。書類、ICチップ付きの4種類、2点提示は終了。受け取り、窓口に加えて、住所・居所への配達。特例型から、3月31日で終了、利用者は基本型へ
日本郵便の2026年9月14日公表の見直し資料による。スマホのマイナンバーカードは基本型では使えない。

日本郵便は2026年9月14日、2027年4月1日から本人限定受取郵便を見直すと公表しました。基本型で変わるのは次の4点です[日本郵便]。

1

本人確認書類が4種類に限定される: 運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書の、ICチップが組み込まれた写真付きの書類のうち1点。パスポートなど、これ以外の書類は対象外になる

2

2点での提示が終わる: 写真のない公的証明書や写真付きの職員証・学生証を2点示す取り扱いは終了する

3

住所・居所への配達が加わる: 郵便窓口でのお渡しに加え、希望に応じて名あて人の住所・居所へ届ける

4

特例型の利用者が基本型へ移る: 特例型は2027年3月31日で終了し、利用者には基本型が案内される。実施日前に特例型として差し出され、受け取りが4月1日以降になる郵便物は、変更後の基本型として扱われる

一方で、スマートフォンに搭載したマイナンバーカードによる本人確認は、特定事項伝達型だけで可能になり、基本型では行いません[日本郵便]。ICチップに記録された情報を確認したうえで本人確認を行うことや、運転免許証で4桁の暗証番号2組の入力が必要になることも、公表資料では特定事項伝達型について書かれており、基本型については記載がありません(2026年10月30日時点)[日本郵便]。基本型で配達を申し込む方法、不在時の扱い、転居先への転送の可否、窓口での確認の手順は公表されておらず、実施までに日本郵便のサイトの案内で確かめてください。

受取人として今からできる準備は、4種類のうちいずれかを有効な状態で持っておくことです。パスポートや資格確認書しか手元にない場合は、4月以降に届く可能性のある郵便物について差出人に早めに相談します。4種類のICチップにどんな情報が入っているかは本人確認書類4種類のICチップ読み取り方式の違いで整理しています。

差出人が基本型を選ぶ場面と、特定事項伝達型との使い分け

差出人が型を選ぶ軸は、本人確認の情報を受け取る必要があるかどうかです。クレジットカードやキャッシュカード、口座開設の書類のように、書類の名称や記号番号、生年月日、確認者の氏名、提示を受けた日時を受け取って確認記録に使うなら特定事項伝達型、確実に本人へ渡すことだけが目的なら基本型が候補になります。特定事項伝達型は、差出郵便局への事前の利用の申し出、料金後納、追跡番号の記載が必要で、取り扱う郵便局も限られ、代人を指定できません。基本型にはこれらの条件がなく、代人も指定できます[日本郵便][日本郵便]。

料金は、どの型も基本料金に一般書留の480円と本人限定受取郵便の270円を加算します。定形郵便物(50g以内)なら110円+480円+270円で860円です(2026年10月時点)[日本郵便][日本郵便]。速達・引受時刻証明・配達証明・内容証明・代金引換を併用でき、料金の内訳は本人限定受取郵便の料金で解説しています。

特例型から基本型へ切り替える差出人は、封筒の「本人限定受取(特)」の表示を「本人限定受取」に改め、受取人への案内文を2027年4月以降の書類の条件に合わせて見直します。自宅などへの配達を希望できることも、案内に盛り込んでおくと受け取りやすくなります。特定事項伝達型を使う場合の準備は本人限定受取郵便の特定事項伝達型の変更点を参考にしてください。

書類の確認をICチップの読み取りに切り替える事業者の方へ

2027年4月以降、本人限定受取郵便で使える4種類の書類は、いずれもICチップに氏名・住所・生年月日と顔写真を記録しています。自社の窓口や訪問先で同じ書類を確認する事業者が、券面の目視とコピーからICチップの読み取りへ切り替えるときに使えるのが、株式会社amsの業務アプリ、マイナドライブIDです。三井住友カードの決済端末stera(stera terminal standard・stera terminal unit・stera terminal mobile)と、NFCに対応したAndroidのスマホ・業務用ハンディ端末で動きます。

お客様がカードをかざし、暗証番号はお客様自身が端末の画面で入力します。マイナ免許証は4桁の暗証番号で免許情報と顔写真、従来の運転免許証は暗証番号1で本籍を除く記載事項(暗証番号2も入力すれば顔写真も)、マイナンバーカードは4桁の暗証番号で氏名・住所・生年月日・性別、券面の14桁の番号なら顔写真も読み取り、個人番号は読み取りません。在留カード・特別永住者証明書は券面右上の12桁の番号で記載事項と顔写真を読み取りますが、氏名は文字で表示しません。旅券には対応していません。顔写真は端末の画面に表示され、担当者が本人と見比べます。暗証番号の値やICチップの生データは基幹システムへ送らず、合意した項目だけを連携します。読み取った情報を法令上の確認方法や確認記録にどう位置づけるかは、法務担当にご確認ください。導入までの手順は4つです。

1

自社の窓口や訪問先で確認している書類と、確認記録に残している項目を整理する

2

ICチップから読み取る項目と、券面・本人との照合の手順を決める

3

使う端末(stera端末、またはAndroid端末)と既存システムとの連携を確認する

4

マイナドライブIDのデモ・連携相談をこちらの申し込みフォームから申し込む

まとめ:基本型は「通知書・書類・窓口」で受け取り、2027年4月に書類が変わる

基本型は、到着通知書を持って保管郵便局の窓口へ行き、本人確認書類を示して名あて人本人が受け取る型です。写真付きの公的証明書1点か、写真のない公的証明書など2点で確認し、本人確認の情報は差出人に伝わりません。2027年4月1日からは、書類が運転免許証・マイナンバーカード・在留カード・特別永住者証明書の4種類に限られて2点提示が終わり、住所・居所への配達も選べるようになります。特例型で届いていた郵便物も基本型に変わるため、受取人は4種類のいずれかを、差出人は封筒の表示と案内文を、実施日までに確かめておきましょう。

FAQ

よくある質問

Q. 本人限定受取郵便の基本型とは何ですか。
郵便物を郵便局に留め置き、到着通知書を名あて人に送って、来局した名あて人本人(または差出人が指定した代人)に限って窓口で渡す型です。本人確認書類の情報は差出人に伝えません。日本郵便は電子署名法などの関係法令に対応するサービスと位置づけています。
Q. 基本型を受け取るときに必要なものは何ですか。
到着通知書、本人確認書類、印鑑(サインでも可)です。本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなど写真付きの公的証明書1点か、資格確認書や年金手帳など写真のない公的証明書等2点を用意します(2026年10月時点)。
Q. 基本型は家族が代わりに受け取れますか。
差出人が代人として指定した人以外は受け取れません。家族や同居人でも、代人の指定がなければ名あて人本人が窓口へ行く必要があります。
Q. 基本型の保管期間はどのくらいですか。
郵便局に到着した日から10日間です。交通が不便で10日以内に来局できないと認められる地域では、2か月まで延長されることがあります(内国郵便約款)。
Q. 2027年4月から基本型は何が変わりますか。
本人確認書類が運転免許証・マイナンバーカード・在留カード・特別永住者証明書の4種類のうち1点に限られ、2点での提示は終わります。希望に応じて住所・居所への配達も行われ、特例型は2027年3月31日で終了して基本型が案内されます。スマートフォンのマイナンバーカードによる確認は基本型では行われません。