クレジットカードやキャッシュカードなど重要な郵便物を顧客に郵送するとき、「本人限定受取郵便で送る」とだけ決まっていて、1通の料金や封筒に書く表示は担当者が調べることになりがちです。2027年4月には、特例型の終了と本人確認書類の見直しも控えています。
本記事では、日本郵便のサービス案内や料金表、内国郵便約款で確認できる範囲で、料金の内訳、3種類の型の選び方、出し方、2027年4月以降の手間を整理します(2026年10月時点)。
結論:料金は基本料金+480円+270円、窓口で一般書留として出す
本人限定受取郵便の料金は、郵便物の基本料金に一般書留の加算料金480円と本人限定受取の加算料金270円を足した金額です。一般書留とした、自然人1人あての手紙・はがきなどの郵便物に限り使えます[日本郵便]。定形郵便物(50g以内110円)なら1通860円です(2026年10月時点)[日本郵便]。加算料金の270円は3つの型で共通です[日本郵便]。
出し方は、型を選び、表面に「本人限定受取」「本人限定受取(特)」「本人限定受取(特伝)」のいずれかを記載して、一般書留として郵便局の窓口で差し出します。特定事項伝達型は事前の利用申出と料金後納、転送不要と追跡番号の記載が必要で、代人は指定できません[日本郵便]。2027年4月1日からは特例型が終わり、基本型と特定事項伝達型の書類はICチップ付きの4種類に限られます[日本郵便]。返送と送り直しの費用も含めて、送り方と確認方法を見直す時期です。
料金の内訳と1通あたりの合計(2026年10月時点)
料金の仕組みは、重さと大きさで決まる基本料金に2つの加算料金を足す形です[日本郵便]。
| 郵便物 | 基本料金 | 一般書留 | 本人限定受取 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 定形郵便物(50g以内) | 110円 | 480円 | 270円 | 860円 |
| 定形外郵便物(規格内・50g以内) | 140円 | 480円 | 270円 | 890円 |
| 定形外郵便物(規格内・250g以内) | 320円 | 480円 | 270円 | 1,070円 |
一般書留の480円は損害要償額10万円までの料金で、それより高く申し出ると5万円ごとに23円が加わります(上限500万円)[日本郵便]。
一緒に付けられるオプションと書留の割引
併用できるのは速達、引受時刻証明、配達証明、内容証明、代金引換だけで、代金引換は特定事項伝達型では使えません[日本郵便]。簡易書留にもできません(内国郵便約款第110条)[日本郵便]。加算料金は、速達が250gまで300円、引受時刻証明が350円、配達証明が差出時350円、内容証明が謄本1枚480円、代金引換が290円です(2026年10月時点)[日本郵便]。大口・法人向けには書留料金の割引制度があるため[日本郵便]、通数が多い場合は活用できるかを郵便局で確認してください。
3種類の型の違いと選び方
型ごとの差出し条件を一覧にすると以下のとおりです[日本郵便]。
| 項目 | 基本型 | 特例型 | 特定事項伝達型 |
|---|---|---|---|
| 受け取る場所 | 郵便窓口 | 郵便窓口か本人への配達 | 指定局の郵便窓口か本人への配達 |
| 本人確認書類 | 写真付き公的証明書1点、または写真のない公的証明書や学生証など2点 | 氏名・住所・生年月日の記載がある公的証明書1点 | 同じ記載の写真付き公的証明書1点 |
| 代人の指定 | できる | できる | できない |
| 本人確認情報の伝達 | なし | なし | あり |
| 差出しの条件 | 一般書留 | 一般書留 | 一般書留+事前申出・料金後納・転送不要・追跡番号 |
基本型は電子署名及び認証業務に関する法律、特定事項伝達型は犯罪収益移転防止法に規定する本人確認レベルです[日本郵便]。総務省中部管区行政評価局の資料は、銀行やクレジットカード会社などが特定事項伝達型でキャッシュカードやクレジットカードを送付していると紹介しています[総務省]。郵便局の本人確認を自社の取引時確認に組み込むなら特定事項伝達型、本人か代人に確実に渡せればよいなら基本型が候補です。
本人限定受取郵便の出し方:窓口で差し出すまで
型を決め、受取人への案内文に、使える本人確認書類と受け取り方を書く。
宛名は集合住宅の名称や部屋番号まで書き、氏名と住所を受取人が提示する予定の書類と合わせる。記載が異なると渡せない場合があるため注意します[日本郵便]。差出人の氏名と住所も記載します(内国郵便約款第141条)[日本郵便]。
表面の見やすい所に型の表示を書く。朱色の二本線は郵便局が表示し、大量に印刷する封筒には二本線の印刷も依頼されています[日本郵便]。
代人を指定するとき(基本型・特例型)は、名あて人の氏名の傍らに「代人」の文字と代人の氏名・住所を書く[日本郵便]。
保管期限を短くしたいときは「留置何日」と朱記する。留置期間は到着した日から10日間です(内国郵便約款第78条・第139条)[日本郵便]。
窓口で「書留・特定記録郵便物等差出票」に記入して差し出し、受領証を受け取る[日本郵便]。
名あて人には到着通知書が封書で送付されます[日本郵便]。基本型は保管郵便局の郵便窓口で受け取り、特例型と特定事項伝達型は連絡すれば日と時間帯を選んで自宅へ届けてもらえます。受取人は本人確認書類と印鑑(サインでも可)を持参します。渡す相手は名あて人か指定された代人一人で、指定のない家族などの代理人は受け取れません[日本郵便]。交付できない郵便物は差出人に返還されます(内国郵便約款第87条)[日本郵便]。
特定事項伝達型を出すときの追加条件
特定事項伝達型の取扱い郵便局は限られ、差し出す郵便局へ事前に利用を申し出ます。他の郵便局からも出す場合はその旨もあわせて申し出、郵便局留の表示はできません(内国郵便約款第140条)[日本郵便]。料金は料金後納とし、「転送不要」と、あらかじめ付与した追跡番号を記載します[日本郵便]。
受取時、書類で名あて人と確認できなければ他の書類や口頭質問による確認は行われず、書類のコピーまたは記号番号等の記録を拒んだ場合も渡せません[日本郵便]。名あて人が記号番号や生年月日の伝達を拒むと、差出人に返還されます[日本郵便]。渡せた場合、差出人は書類の名称・記号番号、生年月日、確認者の氏名、提示を受けた日時を登録制のホームページからダウンロード可能です[日本郵便]。
2027年4月の見直しで変わる費用と手間
2026年9月14日に公表された見直しで、2027年4月1日から次の点が変わります[日本郵便]。
- 特例型は2027年3月31日で終わり、実施日前に特例型で差し出したものは基本型として扱われる。
- 基本型と特定事項伝達型の書類は、ICチップ付き・写真付きの運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書の4種類のうち1点に限られ、パスポートなどは対象外、基本型の2点提示も終わる。
- 特定事項伝達型はICチップの情報が書類と一致することを確認し、運転免許証では4桁の暗証番号2組を入力する。事前に設定したスマートフォンのマイナンバーカードも使える。
実施日前に差し出しても受け取りが4月1日以降なら新しい規定になるため、3月下旬の発送分も新しい条件で案内します。
前述の行政評価局の資料では、宛名と書類の氏名の不一致による返送が年600件(特定事項伝達型の送付数の0.55%)という1社の回答が紹介され、契約不成立や再送付など双方の負担が指摘されています[総務省]。送り直せば料金は改めてかかります。そのため、4種類の書類や暗証番号を用意できない受取人がいる状況も想定して案内文を見直します。変更点は本人限定受取郵便の特定事項伝達型の変更点で解説しています。
郵送以外の本人確認も検討する
顧客が来店できるなら、自社の窓口でICチップ付きの書類を確認する方法もあります。犯罪収益移転防止法の特定事業者が2027年4月1日以降、対面でICチップ付き写真付き書類の提示を受けICチップ情報を読み取る方法(新規則第6条第1項第1号イ)をとる場合、氏名・住居・生年月日・写真(旅券は住居を除く)を読み取り、券面と照合する必要があると警察庁はQ&Aで示しています[警察庁]。特定事業者でない事業者にとっては義務ではなく、運用品質の選択です。郵送を使う確認方法は転送不要郵便による本人確認と犯収法を参考にしてください。
郵送の確認を見直す事業者の方へ
マイナドライブIDは、三井住友カードの決済端末stera(stera terminal standard・stera terminal unit・stera terminal mobile)と、NFCに対応したAndroid端末(業務用のハンディ端末やスマートフォン)で動く本人確認の業務アプリで、本人限定受取郵便の費用や返送の手間を見直す差出人企業が、来店した顧客の本人確認を自社の窓口でICチップを読み取って行う手段になります(郵便局の本人確認とは別の、自社の手続きです)。お客様がカードをかざし、暗証番号はお客様自身が入力します(stera端末はお客様側の画面のタッチパネル、Android端末は端末画面のテンキー)。スタッフは暗証番号を聞かず、控えもしません。読み取れるのは、マイナ免許証(4桁の暗証番号で免許情報と顔写真)、従来のIC運転免許証(暗証番号1で本籍を除く記載事項、暗証番号2も入力すると顔写真)、マイナンバーカード(4桁の暗証番号で氏名・住所・生年月日・性別の4情報、券面の14桁の番号で顔写真も。個人番号は読み取りません)で、顔写真は端末画面に表示され、担当者が本人の顔と見比べられます。
このアプリは、暗証番号の値、ICチップの生データ、標準運用での顔写真画像を基幹システムへ送らず、合意した項目だけをHTTPS POSTで連携できます(認証はmTLS・OAuth2・HMAC署名から選択)。読み取った情報を外部へ送信しなくても端末画面での照合で確認は完結でき、警察庁Q&A(No.41)の「読み取ったICチップ情報をいずれかへ送信する必要はない」という整理と整合します[警察庁]。在留カード・特別永住者証明書は券面の12桁の番号を入力して読み取り、旅券には対応していません。マイナンバーカードは、4桁の暗証番号では氏名・住所・生年月日・性別の4情報、券面の14桁の番号を入力すると顔写真も読み取れます。犯罪収益移転防止法の取引時確認に使う場合、読み取る項目(氏名・住居・生年月日・写真)と券面との照合を自社の確認手順に組み込めるかは、法務担当・顧問弁護士に確認してください。導入相談までの手順は次の4つです。
本人限定受取郵便で送っている書類・カードの種類と通数、返送や送り直しにかかっている費用と手間を整理する。
自社の窓口で読み取りたい項目と、確認記録への反映方法を決める。
使う端末(stera端末、またはNFCに対応したAndroid端末)と既存システムの連携可否を確認する。
マイナドライブIDのデモ・連携相談をこちらの申し込みフォームから申し込む。
まとめ:料金の計算と2027年4月までの準備
料金は基本料金に480円と270円を足して計算し、定形郵便物なら1通860円です(2026年10月時点)。2027年4月1日以降は特例型がなくなり書類も4種類に絞られるため、返送と送り直しまで見込んで、送り方と自社の確認方法を見直してください。
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