本人限定受取郵便を郵便局の窓口で受け取る際、運転免許証を出すと、コピーを取ってよいか、難しければ書類の番号を控えると説明されることがあります。銀行の口座開設などでも、担当者は提示された書類の名称や番号を記録に残します。

ただ、それが書類のどの番号なのか、マイナンバーカードの12桁の番号まで伝えてよいのかは迷いやすいところです。日本郵便や警察庁などの公表資料で確認できた範囲で、控える番号と場所を分かりやすく整理します。

結論:記号番号は書類そのものを特定する番号

記号番号は、提示された本人確認書類そのものを特定するための番号です。警察庁は、犯罪収益移転防止法の確認記録について、本人確認書類の提示を受けたときは「名称、記号番号その他の当該書類を特定するに足りる事項」を記録するとしています[警察庁]。運転免許証なら免許証の番号、パスポートなら旅券番号、在留カードなら在留カードの番号が、これに当たります。

本人限定受取郵便(特定事項伝達型)では、確認に使った書類の名称と記号番号(法令等により利用が制限されているものを除く)、生年月日などが差出人に伝わります[日本郵便]。マイナンバーカード(個人番号カード)の裏面にある12桁の個人番号は、法律で収集などが禁止されている番号なので記号番号として控えず、確認記録には発行者や有効期間など個人番号以外の事項を記載します[警察庁]。

各書類の記号番号と記載場所

主な書類の記号番号。運転免許証、免許証の番号、12桁の数字。在留カード、在留カードの番号、英字と数字の12桁。マイナンバーカード、個人番号は使わない、有効期間などを記録
警察庁の通達と「犯罪収益移転防止法の概要」、出入国在留管理庁・厚生労働省の資料に基づく。在留カードの番号は英字2桁・数字8桁・英字2桁で、表面に記載されます。

主な本人確認書類の記号番号と、公的機関の資料で確認できた記載場所・形式です。使用できる書類の一覧は本人確認書類には何が使えるかで整理しています。

本人確認書類記号番号として扱う番号公的機関の資料で確認できたこと
運転免許証免許証の番号法律で免許証の記載事項とされた番号[e-Gov法令検索]。12桁の数字[警察庁]
パスポート(旅券)旅券番号英字2文字と数字7桁[埼玉県]
在留カード在留カードの番号表面に記載[moj.go.jp]。英字2桁・数字8桁・英字2桁の12桁で、従来の様式では右上[jsite.mhlw.go.jp]
特別永住者証明書特別永住者証明書の番号券面に記載[moj.go.jp]
マイナンバーカード個人番号は使わない記号番号欄に個人番号を書かず、有効期間を書く[警察庁]
資格確認書・国民年金手帳被保険者記号・番号や年金番号は使わない交付年月日などを書く[警察庁]

運転免許証の番号は警察庁の通達で12桁の数字と定められ、最後の1桁は再交付記号です。マイナ免許証の免許情報記録の番号も12桁の数字です[警察庁]。詳しくはマイナ免許証の免許情報記録番号とはで扱っています。

2026年6月14日に導入された特定在留カードは、マイナンバーカードの機能を付けた在留カードです。出入国在留管理庁によると、券面に在留カードの番号、裏面に個人番号が記載され、番号利用法などの適用ではマイナンバーカードとみなされます[moj.go.jp]。裏面の個人番号は書き写しません。上記の表にない書類は、控える番号を提示先の窓口でご確認ください。

郵便局の「本人確認書類記号番号」とは

差出人に伝わる主な項目。書類の名称、提示した書類の種類、運転免許証など。記号番号、書類を特定する番号、利用制限の番号は除く。生年月日など、書類の生年月日、確認者の氏名と日時
日本郵便の本人限定受取郵便(特定事項伝達型)の案内に基づく。差出人は日本郵便のホームページ(登録制)から5項目をダウンロードできます(2026年10月時点)。

本人限定受取郵便には基本型・特例型・特定事項伝達型があり、特定事項伝達型では差出人が日本郵便のホームページ(登録が必要)から以下の5項目をダウンロードできます[日本郵便]。

  • 本人確認書類の名称
  • 本人確認書類の記号番号(法令等により利用が制限されているものを除く)
  • 本人確認書類に記載されている名あて人の生年月日
  • 本人確認を行った者の氏名
  • 本人確認書類の提示を受けた日時

郵便局でいう本人確認書類記号番号は、この2つ目の項目です。日本郵便は、窓口では承諾を得て本人確認書類のコピーを取り、業務上不要な部分はマスキング(目隠し)すると案内しています。承諾しない場合や郵便物を配達で受け取る場合は、記号番号等を記録します。特定事項伝達型は、コピーも記録も承諾しないと受け取れず、書類は顔写真がはり付けられたものに限られます[日本郵便](2026年10月時点)。

2027年4月1日以降は、基本型と特定事項伝達型で使える書類がICチップ付きの4種類(運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書)に限られ、パスポートなどは対象外です。特定事項伝達型では、ICチップの情報が書類と一致することも確認します[日本郵便]。手順は本人限定受取郵便の特定事項伝達型の変更点にまとめています。

マイナンバーカードの個人番号を記録しない理由

マイナンバーカードの扱い。おもて面、本人確認に使える、写しも問題なし。裏面、12桁の個人番号、書き写さない。確認記録、個人番号以外を記載、発行者や有効期間
デジタル庁、個人情報保護委員会のFAQ、警察庁「犯罪収益移転防止法の概要」に基づく。裏面の番号が意図せず見えただけでは収集に当たらないとされています。

デジタル庁は、マイナンバーカードのおもて面は本人確認書類として利用でき、裏面の12桁のマイナンバーは法令または条例で定められた手続でマイナンバーの確認に利用できると説明しています[デジタル庁]。

個人情報保護委員会は、身分証明書の写しとして表面をコピーすることは問題ないとする一方、番号法で定められた場合以外に裏面の個人番号をコピーすることはできないとしています[個人情報保護委員会]。番号が見えただけでは収集に当たりませんが、書き取りやコピーは収集・保管の制限に違反する可能性があります[個人情報保護委員会]。

警察庁も、マイナンバーは他の法令で収集などが禁止されている番号だとして、書き写さないよう求めています[警察庁]。確認記録に書く有効期間は、おもて面に印字された有効期限で確認可能です[デジタル庁]。ICチップから読み取れる項目は券面事項入力補助で事業者が読み取れる項目で解説しています。

事業者が確認記録に残す項目

預貯金口座の開設やクレジットカード契約などでは、犯罪収益移転防止法に基づく本人確認が行われます[政府広報オンライン]。特定事業者は確認記録を直ちに作成して契約終了から7年間保存し、本人特定事項(氏名・住居・生年月日)や確認方法とともに、書類の名称・記号番号その他の書類を特定するに足りる事項を記録します。書式例では、マイナンバーカードは個人番号ではなく有効期間を、国民年金手帳は年金番号ではなく交付年月日を書くとされています[警察庁]。

2027年4月1日施行の改正後も、確認記録の作成方法や記録事項は変わりません(警察庁Q&A No.39)。マイナンバーカードのセキュリティコードの記録だけでは書類を特定するに足りず、名称・記号番号その他の事項も記録する必要があるとされています(No.42)[警察庁]。

記号番号が変わるとき

記号番号は、同じ人でも書類の交付を受け直すと変わることがあります。運転免許証は、更新などで新しく交付される免許証の番号は直近と同じですが、紛失などを理由に再交付を受けると12桁目の再交付記号が繰り上がります[警察庁]。在留カードの番号は発行のたびに変わり、新しいカードの交付を受けると以前の番号は失効します[moj.go.jp]。

番号を書き写す・コピーするときの注意

警察庁は、番号の収集が禁止されている書類について、番号を書き写さず、マイナンバーカードは裏面の写しを取らないよう求めています。国民年金手帳や国民健康保険等の資格確認書は番号部分を復元できない程度にマスキングし、写しの送付を受ける場合のマイナンバーカードは表面のみとされています[警察庁]。

写しは業務に必要な範囲に限り、不要な番号はマスキングし、保管場所と保存期間、廃棄の手順を決めておくことが大切です。

事業者の方へ:本人確認書類の番号を書き写さずに確認するには

マイナドライブIDは、三井住友カードの決済端末stera(stera terminal standard・stera terminal unit・stera terminal mobile)と、NFCに対応したAndroid端末(業務用のハンディ端末やスマートフォン)で動く本人確認の業務アプリです。お客様がカードをかざし、暗証番号はお客様自身が入力します(stera端末はお客様側の画面のタッチパネル、Android端末は端末画面のテンキー)。スタッフが暗証番号を聞いたり控えたりする必要はありません。読み取れるのは、マイナ免許証(4桁の暗証番号で免許情報と顔写真)、従来のIC運転免許証(暗証番号1で本籍を除く記載事項、暗証番号2も入力すると顔写真)、マイナンバーカード(4桁の暗証番号で氏名・住所・生年月日・性別の4情報、券面の14桁の番号で顔写真も。個人番号は読み取りません)です。顔写真は端末画面に表示され、担当者が本人の顔と見比べられます。

このアプリは、暗証番号の値、ICチップの生データ、標準運用での顔写真画像を基幹システムへ送りません。読み取った内容を画面で照合し、合意した項目だけをHTTPS POSTで基幹システムへ連携できます(認証はmTLS・OAuth2・HMAC署名から選択)。ICチップの情報を外部へ送信しなくても端末画面での照合で確認は完結でき、警察庁Q&A(No.41)の「読み取ったICチップ情報をいずれかへ送信する必要はありません」という回答とも整合します[警察庁]。在留カード・特別永住者証明書は券面の12桁の番号を入力して読み取り、旅券には対応していません。マイナンバーカードは、4桁の暗証番号では氏名・住所・生年月日・性別の4情報、券面の14桁の番号を入力すると顔写真も読み取れます。犯罪収益移転防止法の取引時確認に使う場合は、読み取る項目(氏名・住居・生年月日・写真)と券面との照合を自社の確認手順に組み込めるかは、法務担当・顧問弁護士に確認してください。

1

確認記録に残している本人確認書類の項目(書類の名称・記号番号・有効期限など)と、書き写しやコピーで取得している範囲を整理する。

2

読み取りたい項目と、確認記録への反映方法を決める。

3

使う端末(stera端末、またはNFCに対応したAndroid端末)と既存システムの連携可否を確認する。

4

マイナドライブIDのデモ・連携相談をこちらの申し込みフォームから申し込む。

まとめ:控えるのは書類を特定する番号

本人確認書類の記号番号は、免許証の番号や旅券番号、在留カードの番号のように、提示した書類そのものを特定する番号です。郵便局の特定事項伝達型では差出人へ伝わり、事業者は確認記録に残します。マイナンバーカードの裏面の個人番号は控えず、発行者や有効期間で書類を特定すると覚えておけば、窓口で番号を聞かれても落ち着いて対応できます。

FAQ

よくある質問

Q. 本人確認書類の記号番号とは何ですか。
提示した本人確認書類そのものを特定するための番号です。運転免許証なら免許証の番号、パスポートなら旅券番号、在留カードなら在留カードの番号が当たります。
Q. 郵便局で記録された記号番号は誰に伝わりますか。
本人限定受取郵便の特定事項伝達型では、書類の名称、記号番号、記載された生年月日、確認した者の氏名、提示を受けた日時を、差出人が日本郵便のホームページ(登録制)からダウンロードできます。法令等により利用が制限されている番号は除かれます。
Q. マイナンバーカードを出すと個人番号が記録されますか。
個人番号は法律で収集などが禁止されている番号のため、記号番号として控えません。犯罪収益移転防止法の確認記録では、発行者や有効期間など個人番号以外の事項を記載するとされています。
Q. 運転免許証の番号は何桁ですか。
警察庁の通達で12桁の数字と定められています。更新では番号は変わりませんが、紛失などで再交付を受けると最後の1桁の再交付記号が繰り上がります。
Q. 郵便局の窓口で本人確認書類のコピーを断ることはできますか。
日本郵便は、承諾を得てコピーを取り、承諾しない場合は記号番号等を記録すると案内しています。特定事項伝達型では、コピーも記号番号等の記録も承諾しない場合は郵便物を受け取れません。