家族あての簡易書留が自宅に届く。玄関で配達員にサインを求められた。不在票を見て郵便局へ取りに行こうとしたものの、本人確認書類が要るのか、代わりに家族が行けるのかが分からない。簡易書留は身近な送り方ですが、本人確認があるかどうかは、自宅で受け取るか郵便局の窓口で受け取るかで変わります。

送る側にも迷いがあります。カードや契約書類の配送に簡易書留を使うか、名あて人本人にしか渡さない本人限定受取郵便にするかで、料金も、受け取った人の確かめ方も違うからです。以下では、日本郵便の書留のページ、よくあるご質問、内国郵便約款で確認できる範囲に絞り、受け取る側と送る側の判断材料をまとめます。

結論:簡易書留は本人以外が受け取ることもある

受け取る場面で変わる本人確認。自宅で受け取る、受領印かサインで受領、書類の提示の案内なし。窓口で受け取る、本人確認書類が必要、印鑑と不在連絡票も。本人限定受取郵便、名あて人か代人1人だけ、一般書留にして送る
日本郵便の書留ページ・よくあるご質問、内国郵便約款第109条・第110条・第139条・第140条をもとに作成。家族などへの配達の個別の扱いは配達を担当する郵便局に確認。

簡易書留は、名あて人本人だけに渡す郵便ではありません。自宅への配達では、一般書留と同じく配達証に受領の印か署名を受けて渡します。内国郵便約款は、受取人の代人や、官公署・学校・会社など多人数が集まる場所の受付に配達する場合も定めており、そのときは代人や受付の資格と氏名を配達証に記録します(内国郵便約款第109条・第110条)[日本郵便]。日本郵便の書留のページにも、配達の際に本人確認書類の提示を求めるという案内はありません[日本郵便]。

本人確認書類が必要になるのは、不在で持ち戻られた郵便物を郵便局の窓口で受け取るときです。受取人本人の氏名・住所が確認できる本人確認書類、印鑑(用意できなければ署名)、ご不在連絡票を持参します[日本郵便]。名あて人本人にだけ渡したい場合は本人限定受取郵便を使いますが、一般書留にする必要があり、簡易書留とは併用できません(内国郵便約款第110条・第140条)[日本郵便]。なお、一般書留に付ける配達証明について、日本郵便は「郵便物の実際の受取人が誰であるかを証明するものではありません」と案内しています[日本郵便]。

簡易書留とは:一般書留との違いと料金

簡易書留は書留の一種で、一般書留より料金が割安です。なお、現金を内容とする郵便物は簡易書留にできず、専用の封筒を使う現金書留にします(内国郵便約款第110条・第111条)[日本郵便]。その代わり記録するのは引受けと配達のみで、送達途中の紛失やき損に対する賠償は原則として5万円までの実損額です。一般書留は引受けから配達までの送達過程を記録し、差し出す際に申し出た損害要償額(上限500万円、申し出がなければ10万円)の範囲内で実損額を賠償します[日本郵便]。

加算料金(2026年10月時点)は、簡易書留が350円、一般書留が480円で、いずれも基本料金に加算します[日本郵便]。定形郵便物(50g以内110円)を簡易書留にする場合は、110円に350円を加えた金額です[日本郵便]。差し出す前に郵便局に備え付けの「書留・特定記録郵便物等差出票」に記入して窓口に出し、受領証に記載された引受番号で配達状況を追跡できます[日本郵便]。

配達日にも特徴があります。普通郵便物は土曜日・日曜日・休日の配達を原則として休止していますが、書留は土日・休日も配達されます[日本郵便]。仕事で平日に留守がちな受取人でも、週末に自宅で受け取れる可能性があります。

自宅で受け取るとき:受領印かサインで手渡し

約款は、書留を受取人に配達するときに配達証へ受領の印か署名を受けると定めています[日本郵便]。簡易書留は郵便受けに入れて終わる郵便ではなく、配達員から直接手渡しで受け取るのが基本で、印鑑がないならサインで受け取れます。

家族や同居人が受け取るケース

受取人が留守で同居する家族などが在宅しているとき、その人が受け取ってよいかは迷うことが多い点です。約款は受取人の代人に配達する場合を定め、配達証に代人の資格と氏名の記載と、受領の印か署名を受けるとしています[日本郵便]。ただし、誰が代人として扱われるのか、家族や同居人に渡すのかを具体的に示した案内は、日本郵便の書留のページやよくあるご質問には見当たりませんでした。個別の扱いは、配達を担当する郵便局に確認してください。

会社や学校の受付あての配達も約款に定めがあり、勤務先あてに届いた簡易書留を受付の担当者が受け取ることもあり得ます。書留の規定には、配達時に本人確認書類の提示を受ける定めはありません。本人以外の人が受け取った後も記録は残りますが、その人が名あて人本人かを郵便局が書類で確かめる仕組みではない点に注意しましょう。

不在時は再配達か宅配ボックス

不在時は郵便物が郵便局に持ち戻られ、保管中は窓口で受け取れます。昼間に不在で配達できなかった書留は、電話で当日17時頃までに再配達を希望すると、21時頃までに無料で再配達されます。電話受付時間は郵便局ごとに異なり、確認が必要です。希望する日や時間帯(午前8時頃〜12時頃から夜間19時頃〜21時頃まで)を指定した再配達も依頼できます[日本郵便]。勤務先などへの配達や近くの郵便局での受取も可能で、留守がちな人には便利です。利用する場合は郵便局に連絡します[日本郵便]。

戸建て住宅に宅配ボックスを設置している場合は、配達時に不在だと書留郵便物を宅配ボックスに配達するサービスもあります。利用するには、配達を担当する郵便局の窓口に「指定場所配達(戸建住宅向け宅配ボックス)に関する依頼書」を事前に提出し、郵便局による要件の確認を受けます。現金書留、配達証明、本人限定受取郵便などは対象外です[日本郵便]。約款では、指定された設備や場所に配達したときは、配達証に設備の名称や配達場所・日時を記録するとしています[日本郵便]。

郵便局の窓口で受け取るとき:本人確認書類が必要

窓口受け取りで持っていくもの。本人確認書類、本人の氏名・住所を確認、通知カードは使えない。印鑑、用意できない場合は、署名でも構わない。ご不在連絡票、不在留置きの場合に必要、7日を過ぎると返送
日本郵便のよくあるご質問による。配達を担当する郵便局の窓口営業時間内なら受け取り可能だが、持ち戻りに時間がかかる場合があるため担当局に確認する。

持っていくもの

不在で持ち戻られた郵便物を郵便局の窓口で受け取るときは、以下の3つを準備します[日本郵便]。

  • 本人確認書類:受取人本人の氏名・住所が確認できる証明書(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等)。マイナンバーの通知カードは使用できません。
  • 印鑑:用意できない場合は署名でも構いません。
  • ご不在連絡票:不在留置きの場合に限ります。

配達できなかった郵便物は、配達を担当する郵便局の郵便窓口の営業時間内であれば受け取り可能です。ただし、郵便局に持ち帰るまでに時間がかかる場合があるため、営業時間とすぐ受け取れるかどうかは担当の郵便局に確認するよう案内されています[日本郵便]。窓口での本人確認の全体像は郵便局での受け取りに必要な本人確認、使える書類の一覧は本人確認書類には何が使えるかで解説しています。

保管期限と受け取る郵便局の変更

1回目の配達日から7日以内に配達も窓口での受け取りもできなかった郵便物は、差出人に返送されます。返送料は不要です[日本郵便]。約款は、受取人が留置期間の延長を申し出た場合の期間を最初の配達の日から10日としています(内国郵便約款第88条)[日本郵便]。保管期限に間に合わず返送されたときは、差出人に再発送を相談することになります。

保管している郵便局以外で受け取りたいときは、ご不在連絡票に必要事項を記載してそのまま郵便として差し出す(郵送する)、連絡票に記載の電話番号からコールセンター(24時間自動受付)に申し込む、インターネットの再配達の申し込みを使う、のいずれかで申し込めます[日本郵便]。

本人以外が窓口へ取りに行くケース

日本郵便のよくあるご質問が窓口で求めているのは、受取人本人の本人確認書類です[日本郵便]。家族や代理人が窓口で受け取れるか、委任状があればよいかは、確認した日本郵便の公式ページには記載がありませんでした。本人以外が代理で取りに行く必要があるときは、保管している郵便局に事前に電話で確認し、必要なものを聞いてから向かってください。

送り方の違い:本人だけに渡すなら本人限定受取郵便

送り方を選ぶ3つの目安。簡易書留、記録は引受けと配達、賠償は5万円まで。一般書留、送達過程を記録、申し出なしで10万円。本人限定受取郵便、本人か代人だけに交付、加算270円+一般書留
加算料金は簡易書留350円・一般書留480円(2026年10月時点、日本郵便)。配達証明は実際の受取人が誰であるかを証明するものではないと案内されている。

カードや書類を送るときによく比べられる特定記録・簡易書留・一般書留・本人限定受取郵便を、受け取りの場面に絞って比較すると次のとおりです(加算料金は2026年10月時点)。

項目特定記録簡易書留一般書留本人限定受取郵便
配達のしかた郵便受け(ポスト)に投函手渡し。不在時は持ち戻り手渡し。不在時は持ち戻り郵便局に留め置き、到着通知書を送付(型により本人に配達)
受け取る人手渡ししない受取人のほか、代人や会社などの受付簡易書留と同じ名あて人か、差出人が指定した代人1人
受け取るときの確認受領印・署名なし受領の印か署名(窓口では本人確認書類も)簡易書留と同じ型ごとに決められた本人確認書類
記録引受け引受けと配達引受けから配達までの送達過程一般書留と同じ
賠償なし5万円までの実損額申し出た損害要償額の範囲内(申し出なしは10万円)一般書留と同じ
土日・休日の配達なし(速達などを除く)ありあり型による(基本型は窓口で受け取り)
加算料金210円350円480円270円(一般書留の480円も必要)

特定記録[日本郵便]、書留[日本郵便]、本人限定受取郵便[日本郵便]の各ページと約款[日本郵便]をもとに作成しています。特定記録は配達状況をインターネット上で確認できますが、受領印や署名による配達の記録は行いません。違いが大きいのは「受け取る人」と「受け取るときの確認」の行です。簡易書留の配達は、受取人・代人・受付への配達を定めた一般書留の規定に準じて扱われるため、受け取りの扱いは一般書留と同じで、違うのは記録と賠償の範囲です(内国郵便約款第110条)。

本人限定受取郵便は一般書留にして送る

本人限定受取郵便は、郵便物を郵便局に留め置いて到着通知書を名あて人に送り、来局した名あて人本人に限って渡す取扱いです。差出人は差し出す際、代わりに受け取れる代人を自然人1人に限って指定でき、代人が来局したときはその代人本人に渡します(内国郵便約款第139条)。対象は自然人1人を名あて人とし、一般書留とする郵便物です(同第140条)[日本郵便]。

加算料金は270円で、一般書留(480円)とする必要があり、基本型・特例型・特定事項伝達型から選びます。特定事項伝達型は、あらかじめ差出郵便局(日本郵便が別に定める郵便局に限る)への利用の申し出が必要で、代人を指定できません。その代わり、本人確認書類の名称や記号番号、名あて人の生年月日、確認した者の氏名、提示を受けた日時を差出人がダウンロードできます。宛名と書類の記載が異なると渡せない可能性があり、クレジットカードの申し込みなどで登録した住所が宛名に使われる場合もあるとして、日本郵便は登録情報と書類の記載を合わせるよう注意を促しています[日本郵便]。受け取る側の注意点は本人限定受取郵便を受け取れない理由と対処法で解説しています。

日本郵便は2026年9月14日、2027年4月1日から基本型と特定事項伝達型の本人確認書類を、ICチップ付き・写真付きの運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書の4種類に限ると公表しました。パスポートなどは対象外となり、特例型は2027年3月31日で終了します[日本郵便]。特例型の扱いは本人限定受取郵便の特例型とはにまとめています。

差出人が送り方を選ぶときの考え方

送り方を選ぶ軸は、受け取った人が名あて人本人かを確かめる必要がある手続きかどうかです。届いた記録と万一の賠償があれば足りる書類なら簡易書留、賠償の上限が高いことや送達過程の記録が必要なら一般書留が候補になります。簡易書留は代人や受付に配達されることも約款に定められているため、本人以外の手に渡ると困るカードや書類かどうかを先に考えます。

一般書留に配達証明(加算350円)を付ければ届けた事実の証明は残りますが、前述のとおり実際の受取人を証明するものではありません[日本郵便]。名あて人本人に渡ったことを確かめたいなら本人限定受取郵便を検討し、受け取りに必要な書類を受取人に事前に知らせておくと、窓口での手戻りを防ぎやすくなります。郵便とは別に、来店時に自社の窓口で本人確認書類を確かめる方法もあります。犯罪収益移転防止法の特定事業者でない事業者がICチップの読み取りまで行うのは、義務ではなく運用品質の選択です。

受け取った人が本人かを自社の窓口で確かめるには

マイナドライブIDは、三井住友カードの決済端末stera(stera terminal standard・stera terminal unit・stera terminal mobile)と、NFCに対応したAndroid端末(業務用のハンディ端末やスマートフォン)で動く本人確認の業務アプリです。郵便局での受け取りとは別に、簡易書留などでカードや書類を送っている事業者が、受け取った人が本人かを確かめる必要がある手続きで、来店時に自社の窓口でICチップを読み取って確認する手段として使えます。お客様がカードをかざし、暗証番号はお客様自身が入力します(stera端末はお客様側の画面のタッチパネル、Android端末は端末画面のテンキー)。スタッフは暗証番号を聞かず、控えもしません。読み取れるのは、マイナ免許証(4桁の暗証番号で免許情報と顔写真)、従来のIC運転免許証(暗証番号1で本籍を除く記載事項、暗証番号2も入力すると顔写真)、マイナンバーカード(4桁の暗証番号で氏名・住所・生年月日・性別の4情報、券面の14桁の番号で顔写真も。個人番号は読み取りません)です。顔写真は端末画面に表示され、担当者が本人の顔と見比べられます。

このアプリはデータ最小化を前提にしており、暗証番号の値、ICチップの生データ、標準運用での顔写真画像は基幹システムへ送らず、合意した項目だけをHTTPS POSTで基幹システムへ連携できます(認証はmTLS・OAuth2・HMAC署名から選択)。読み取ったICチップの情報を外部へ送信しなくても端末画面での照合で確認は完結でき、警察庁Q&A(No.41)の「読み取ったICチップ情報をいずれかへ送信する必要はありません」という回答とも整合します[警察庁]。在留カード・特別永住者証明書は券面の12桁の番号を入力して読み取り、旅券には対応していません。マイナンバーカードは、4桁の暗証番号では氏名・住所・生年月日・性別の4情報、券面の14桁の番号を入力すると顔写真も読み取れます。犯罪収益移転防止法の取引時確認に使う場合は、読み取る項目(氏名・住居・生年月日・写真)と券面との照合を自社の確認手順に組み込めるかは、法務担当・顧問弁護士に確認してください。導入相談までの手順は次の4つです。

1

簡易書留・一般書留・本人限定受取郵便で送っている書類と、受け取った人が本人かを確かめたい手続きを整理する。

2

読み取りたい項目と、確認記録への反映方法を決める。

3

使う端末(stera端末、またはNFCに対応したAndroid端末)と既存システムの連携可否を確認する。

4

マイナドライブIDのデモ・連携相談をこちらの申し込みフォームから申し込む。

まとめ:受け取る場所と送り方で本人確認の有無が変わる

簡易書留の受け取り方法は、自宅なら受領の印かサイン、郵便局の窓口なら本人確認書類・印鑑(または署名)・ご不在連絡票です。約款は代人や受付への配達も定めており、本人以外が受け取ることもありますが、家族や代理人が受け取れるかの個別の扱いは公式ページで確かめられないため、配達を担当する郵便局に事前に確認してください。不在時の対応方法としては当日中や日時を指定した再配達があり、1回目の配達日から7日を過ぎると差出人に返送されます。送る側は、受け取った人が本人かを確かめる必要があるかどうかで、簡易書留と本人限定受取郵便を使い分けることが大切です。

FAQ

よくある質問

Q. 簡易書留は本人以外でも受け取れますか。
簡易書留は名あて人本人だけに渡す郵便ではなく、内国郵便約款は受取人の代人や会社などの受付への配達も定めています。ただし、家族や同居人に渡すかどうかの個別の扱いは公式ページで示されていないため、配達を担当する郵便局に確認してください。
Q. 簡易書留を自宅で受け取るときに本人確認書類は必要ですか。
自宅への配達では、配達証に受領の印か署名を受けて渡します。日本郵便の書留のページには、配達時に本人確認書類の提示を求める案内はありません。
Q. 不在で持ち戻られた簡易書留を郵便局で受け取るには何が必要ですか。
受取人本人の氏名・住所が確認できる本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等)、印鑑(用意できなければ署名)、ご不在連絡票が必要です。1回目の配達日から7日以内に受け取らないと、差出人に返送されます。
Q. 委任状があれば簡易書留を代理で窓口受け取りできますか。
日本郵便の公式ページには、書留を窓口で代理受け取りする場合の委任状の要否は記載されていません。本人以外が取りに行く必要があるときは、保管している郵便局に事前に電話で確認してください。
Q. 簡易書留と本人限定受取郵便は一緒に使えますか。
使えません。本人限定受取郵便は一般書留とする必要があり、加算料金は270円に一般書留の480円が加わります(2026年10月時点)。名あて人本人か差出人が指定した代人1人に限って渡したい場合に検討します。