来店したお客様からマイナ免許証を提示されたとき、レンタカーの受付では何を見て、どの順番で確認すればよいのでしょうか。マイナ免許証はマイナンバーカードに運転免許の情報を記録したもので、券面には免許の種類や有効期間の末日の表記がありません[デジタル庁]。従来の運転免許証のように券面を見て貸し渡すことはできず、ICチップの読み取りが前提になります。

本記事では、レンタカー店舗の店長や受付スタッフに向けて、警察庁・デジタル庁・全国レンタカー協会の公表資料をもとに、スマートフォンでマイナ免許証の免許情報を確認する方法と、事前の準備から記録までの手順を紹介します。

結論:店舗の端末で読み取り、本人に暗証番号を入力してもらう

受付の4つの手順。1 カードを持参、予約時に持参と、暗証番号を案内。2 店頭の端末で読む、お客様がカードを、端末へかざす。3 暗証番号を入力、4桁はお客様が入力、スタッフは聞かない。4 画面で確認、有効期間・種類・条件、顔写真とご本人を照合
全国レンタカー協会のチラシ(2025年2月19日)による。スクリーンショットでは貸渡を断る場合がある。

マイナ免許証の受付は、店舗側の端末でICチップを読み取り、お客様ご自身に4桁の暗証番号を入力していただき、画面に表示された免許証情報を確認する流れです。全国レンタカー協会は、受付の手順を「マイナンバーカードを持参する」「店頭の端末で読み取る」「暗証番号を入力する」「端末の画面で免許証の内容を確認する」の4段階で示し、その場で端末にて確認できない場合や、事前に保存した確認画面のスクリーンショットの提示では、貸渡をお断りする場合があると案内しています[全国レンタカー協会]。

マイナンバーカードと運転免許証の一体化は、令和4年の道路交通法の改正に基づく制度で、2025年3月24日に全国で運用が開始されました[警察庁]。店舗の端末は、NFCに対応したスマートフォンで始められます。警察庁の「マイナ免許証読み取りアプリ」は無料で、警察庁は「レンタカー事業者等が顧客の免許情報を確認することができます」と案内しています[警察庁]。

お客様がマイナポータルで表示した画面や、アプリに保存した画面を見せてもらう方法では、店舗がその場でICチップを読み取ったことになりません。警察庁は、アプリやマイナポータルで確認・保存した免許情報を持っていても、運転免許証を携帯したことにはならないと案内しています[警察庁]。

受付の前に準備すること

当日の受付をスムーズにするため、次の3つを事前に整えておきます。

  • 端末とアプリ: 警察庁のアプリはApp StoreやGoogle Playからインストールします。スマホ版の動作環境は、2026年6月1日時点でiOS 16・17・18・26とAndroid 13〜16の各最新バージョンで、NFCと拡張Lc/Leに対応した機種に限られます[警察庁]。スタッフ個人のスマホではなく、店舗で管理する端末を用意しておくと運用が安定します。
  • お客様への事前案内: 予約確認のメールや予約サイトの案内を変更し、マイナ免許証を持参すること、4桁の暗証番号が必要なことを書いておきます。暗証番号は免許証用かマイナンバーカード用かが利用店によって異なるため[全国レンタカー協会]、自社でどちらを使うかも明記します。
  • スタッフの手順書と研修: 読み取りの操作、画面で確かめる項目、読めないときの判断を1枚にまとめ、受付に立つ全員が同じ流れで対応できるようにします。貸渡約款や店頭の掲示も、マイナ免許証の扱いにあわせて見直しておきましょう。

予約確認メールに入れる案内文は、たとえば「ご予約ありがとうございます。マイナ免許証でご来店のお客様は、マイナンバーカードをお持ちのうえ、運転免許センター等で設定した4桁の暗証番号をご準備いただきますようお願いします。受付では、当店の端末でお客様ご自身にカードを読み取っていただきます。保存した画面やスクリーンショットではお手続きできませんので、ご注意ください。」のような形です。

受付当日の手順

マイナ免許証を提示されたら、次の流れで確認します。

1

お客様から提示を受け、マイナ免許証かどうかを確かめる(券面だけでは見分けられないため、読み取って判断する)

2

店舗のスマートフォンで警察庁のアプリを起動し、お客様にカードを端末へかざしていただく

3

暗証番号の入力画面をお客様に向け、4桁の暗証番号をご自身で入力していただく。スタッフは番号を聞き取らず、画面ものぞかない

4

画面に表示された免許情報を確認し、顔写真とご本人、券面の氏名を照らし合わせる

5

借りる車種を運転できる免許の種類か、条件に合う車かを確かめる

6

ほかに運転する人がいる場合は、その人の免許証も同じ手順で確認する

7

貸渡簿など、必要な項目を記録して読み取りを終え、料金の精算や保険・補償の説明に進む

読み取りにかかる時間も見込んで、受付の人数や予約の間隔を決めておきます。受付の時間を短くする工夫はレンタカーの受付時間を短縮するにはでまとめています。

氏名・住所・生年月日もアプリの画面に出したい場合は、「氏名等も表示する」をオンにし、券面の生年月日・有効期限・セキュリティコードを組み合わせた14桁を入力していただく必要があります[警察庁]。入力の手間が増えるため、どの情報を画面で確認するかを店舗で決めておきましょう。

画面で確かめる項目

画面で確かめる4つの項目。有効期間の末日、貸渡期間中に、期限が切れないか。免許の種類、予約した車種を、運転できるか。免許の条件、AT車限定・眼鏡等、車や条件に合うか。顔写真、モノクロで表示、ご本人と照合
マイナ免許証には交付日が記録されていない。免許の条件は40文字で改行される(警察庁の専用サイト)。

警察庁のアプリでは、マイナ免許証の番号、免許の年月日と有効期間の末日、免許の種類、免許の条件、免許用の顔写真、色区分などを確認できます[警察庁]。受付では次の点を見ます。

  • 有効期間の末日: 貸渡期間中に期限が切れないか
  • 免許の種類: 予約した車種を運転できるか(準中型・中型など)
  • 免許の条件: AT車限定、眼鏡等など、貸し渡す車や運転の条件に合うか
  • 顔写真: ご本人と同じ人か

マイナ免許証には交付日が記録されていないため、画面にも表示されません。写真はモノクロで、免許の条件は端末の画面幅に関係なく40文字で改行されます[警察庁]。不具合と間違えないよう、手順書に書いておくと安心です。

読み取れない・暗証番号が分からないとき

読み取れないときの対応。暗証番号が不明、10回連続でロック、窓口で本人が手続き。免許情報なし、マイナ免許証ではない、従来の免許証を提示。カードを検知しない、位置と向きを変える、NFCの設定を確認
貸渡を断るかどうかは店舗の規程で決める。エラーの一覧は警察庁の専用サイトの「よくある質問」にある。

読み取れないときは、エラーの文言で原因を切り分けます[警察庁]。

  • 暗証番号が分からない: マイナ免許証用の暗証番号は、10回連続で間違えるとロックされます。解除や番号の確認は、運転免許センターなどの窓口で本人確認のうえ行うため、店頭では解決できません。暗証番号を設定していない人は、アプリの画面で「暗証番号を設定していない場合」を選んで読み取ります。
  • 「免許情報が記録されていません」: かざしたカードはマイナ免許証ではありません。2枚持ちのお客様なら、従来の運転免許証を提示していただきます。
  • 「免許情報が停止又は抹消されています」: 免許情報を読み取れないため、運転できる状態か確かめられません。
  • カードを検知できない: カードをかざす位置や向きを変え、NFCがオンになっているかを確認します。

エラーの一覧は、警察庁の専用サイトの「よくある質問」で確認できます[警察庁]。確認できなかった場合に貸渡をお断りするかどうかは、スタッフの判断に任せず、レンタカー会社や店舗の規程として決めておきます。原因の細かな切り分けはマイナ免許証が読み取れないときの対応で解説しています。

記録と保存の注意点

警察庁のアプリは、読み取った免許情報を画像として保存でき、スクリーンショットも撮れます[警察庁]。アプリ内の保存はスマホ版で最大10件までで、読み取った情報が端末の外へ送信されることはありません[警察庁]。お客様の免許証情報を店舗の端末に残し続ける運用は避け、記録は貸渡簿など業務に必要な項目に絞りましょう。

貸渡簿の「運転免許証の番号」欄とマイナ免許証の番号の関係は、レンタカーの貸渡簿・貸渡証の記載事項で整理しています。事業者として使える確認方法の全体像はマイナ免許証の確認方法【事業者向け】、利用者向けに予約前の確認をまとめた記事はマイナ免許証はレンタカーで利用できる?を参考にしてください。

スマホでマイナ免許証と従来の免許証を読みたい店舗の方へ

警察庁のアプリはマイナ免許証専用で、従来の運転免許証のICチップには対応していません[警察庁]。受付で両方の免許証を同じ流れで確認したい場合や、読み取った項目を予約システムへつなぎたい場合は、業務用のアプリが選択肢になります。

マイナドライブIDは、三井住友カードの決済端末stera(stera terminal standard・stera terminal unit・stera terminal mobile)と、Androidのスマホ・業務用ハンディ端末で使える、事業者向けの本人確認の業務アプリです。お客様がカードをかざし、暗証番号を端末の画面でご自身で入力します。マイナ免許証は免許情報と顔写真、従来の運転免許証は暗証番号1で記載事項、暗証番号2も入力すると顔写真を読み取り、画面で券面やご本人と見比べられます。読み取り結果は端末に残さず、合意した項目だけを予約・基幹システムへ連携でき、stera端末ではレシートへの印字にも対応します。Android端末はNFCでICチップを読み取れる機種に限り、使う機種は導入前に相談のうえ決めます。

1

マイナ免許証と従来の運転免許証で、画面で確かめる項目をそろえる

2

貸渡簿や予約システムに記録する項目を決める

3

店舗で使うAndroid端末やstera端末と、既存システムとの連携を確認する

4

マイナドライブIDのデモ・連携相談をこちらの申し込みフォームから申し込む

まとめ:準備・読み取り・記録の流れを店舗で決めておく

マイナ免許証の受付は、店舗の端末でICチップを読み取り、お客様ご自身に暗証番号を入力していただき、画面で有効期間の末日・免許の種類・条件・顔写真を確かめる流れです。予約時の案内、読めないときの判断、記録する項目を事前に決めておけば、マイナ免許証のお客様にも従来の免許証のお客様と同じように対応できます。

FAQ

よくある質問

Q. レンタカーの受付でマイナ免許証はどう確認しますか。
店舗の端末でICチップを読み取り、お客様ご自身に4桁の暗証番号を入力していただき、画面に表示された有効期間の末日・免許の種類・条件・顔写真を確認します。全国レンタカー協会もこの流れを案内しています。
Q. 店舗で使う端末はスマートフォンでもよいですか。
NFCに対応したスマートフォンに警察庁のマイナ免許証読み取りアプリを入れれば確認できます。動作環境は2026年6月1日時点でiOS 16・17・18・26とAndroid 13〜16の各最新バージョンで、拡張Lc/Leへの対応も必要です。
Q. スクリーンショットの提示で貸し渡してもよいですか。
全国レンタカー協会は、事前に保存した確認画面のスクリーンショットの提示や、その場で端末にて確認できない場合は、貸渡を断る場合があると案内しています。店舗の端末で読み取って確認してください。
Q. お客様が暗証番号を忘れた場合はどうすればよいですか。
店頭では解除や番号の確認はできません。運転免許センターなどの窓口で本人確認のうえ手続きできることを案内し、2枚持ちの方には従来の運転免許証の提示をお願いします。貸渡を断るかどうかは店舗の規程で決めておきます。
Q. 画面に交付日が表示されないのは不具合ですか。
不具合ではありません。マイナ免許証には交付日が記録されていないため、表示されません。写真もモノクロで表示されます。