店舗向けの本人確認サービスは、来店前の確認、店頭でのカード読取、本人との照合、確認結果の記録のうち、どの作業を任せたいかで選びます。「本人確認に対応」という説明だけで比べると、契約後に必要な機能が別サービスだったと分かることがあります。
レンタカーや建機レンタルでは、来店者の身元を確認するだけでなく、必要な運転免許情報を確認し、予約や会員情報と結び付ける作業があります。この記事は、こうした店舗の受付業務を前提に、サービスの種類、比較軸、費用、導入テストを整理したものです。機能情報の確認日は2026年9月8日です。
本人確認サービスは何を提供するものか
オンラインのeKYCと店頭の確認
eKYCは、オンラインで本人確認を行う仕組みです。申込者のスマートフォンを使ったICチップ読取、顔画像を使った照合、公的個人認証など、サービスが採用する方法は異なります。たとえばLIQUID eKYCは、IC読取のチャネルや審査管理機能などを公式サイトで紹介しています。LIQUID eKYCの機能
一方、店頭での確認は、来店者が提示するカードと、その場にいる本人を扱います。事前のオンライン手続が完了している場合でも、来店時に何を確認するかを別に決めます。遠隔と対面の両方を提供する事業者もあるため、ブランド名だけで分類せず、契約する製品・機能の範囲を見てください。
読み取り・照合・審査支援は別の機能
読取機能はカードや画像から情報を取得する機能です。照合は、その情報と申込内容、提示者本人などを突き合わせる作業です。審査支援には、担当者の管理画面、確認記録、判定を補助する機能などが含まれる場合があります。
自社が困っているのが手入力なら読取とデータ連携、拠点ごとの判断のばらつきなら確認手順と管理機能を優先して比較します。提供範囲を一つの「本人確認済み」という表示にまとめず、どの確認を終えた結果か説明できることが重要です。
店舗の課題から比較対象を絞る
免許情報の確認・転記を改善したい場合
対象カードの読取、必要項目の表示、予約・会員システムへの受け渡しを確認します。特にマイナ免許証は券面に免許の種類や有効期間などが記載されないため、カード表面のOCRだけでは必要な運転免許情報を取得できません。デジタル庁の制度説明
IC機器と業務ソフトを組み合わせる方式も候補です。DNPは免許証の読取・確認用ソフトウェアとSDKを案内しており、アプリとして利用する範囲と自社システムに組み込む範囲を区別しています。どちらが必要かで、開発担当や見積もり条件が変わります。DNPの公式説明
来店前に申込を進めたい場合
オンラインの本人確認を、予約や会員登録に組み込めるサービスが候補になります。対応するスマートフォン、必要なアプリ、途中で手続を中断した場合の再開方法、店舗へ渡す結果の内容を確認します。
オンラインで身元の確認ができることと、対象車両を運転する資格が確認できることは同義ではありません。免許の種類・条件・期限が必要な業務では、それらをどの段階で取得・確認するのかまで設計します。
確認記録や審査の管理まで揃えたい場合
複数の担当者が審査する店舗や、多拠点で履歴を管理する業務では、管理画面の権限、確認項目、結果の検索、保存・削除の機能が比較軸になります。読取だけのサービスと、審査や記録管理まで含むサービスは、任せられる作業が違います。
採用する確認方法に法令上の要件がある業務では、対象となる取引と実施方法の適合性を確認してください。「IC対応」「eKYC対応」といった機能名だけで、すべての業種・取引の要件を満たすとは判断できません。
本人確認サービスを比べる7つのポイント
1. 対応書類と確認できる情報
従来免許証、マイナ免許証、マイナンバーカード、その他の書類を、用途別に確認します。マイナンバーカードの本人情報を扱えることと、免許情報を読み取れることも区別します。
確認したい情報を一覧にして、標準機能で取得できるもの、オプションが必要なもの、対象外のものを回答してもらうと、説明の粒度が揃います。書類の一般的な選び方は本人確認書類の解説を参照してください。
2. 利用者の操作と店舗スタッフの作業
カードを置く人、暗証番号を入力する人、読取結果を見る人を分けて、受付の動線を確認します。店頭端末を使う場合は、操作案内や入力画面を来店者が理解できるかも試します。
スタッフが引き続き行う本人照合、例外対応、最終判断を明示してもらいましょう。自動化の対象が明確なら、導入後の教育内容を決めやすくなります。
3. システム連携と4. 保存・セキュリティ
APIやCSVの有無に加え、どの予約・会員へ情報を渡すか、送信失敗を誰が確認するかを見ます。APIの具体的な設計は免許情報と基幹システムの連携記事で扱っています。
保存先、保存期間、閲覧権限、削除方法も確認します。暗証番号や不要な画像まで記録されないか、端末上の表示情報が次の来店者へ残らないかも、導入テストの対象です。暗号化の説明だけで安全性を判断せず、何を取得し、誰が扱うかまで確認してください。
5. 例外対応と6. サポート体制
対応外の書類、暗証番号不明、通信障害、読み取り失敗の際に、受付をどの状態で止められるかを確認します。未確認のまま通常完了にできてしまう仕組みは、手順を統一しにくくなります。
サポートは、営業時間、連絡方法、端末交換、制度・OS更新への対応まで比較します。多店舗へ展開するなら、拠点追加や担当者変更時の設定を誰が行うかも確認が必要です。
7. 初期費用と継続費用
比較するのは、初期設定、端末、接続開発、月額利用、件数課金、保守などを含めた総額です。公開価格がないサービスは、同じ条件で見積もりを依頼します。従量制では、再試行や未完了の処理が課金件数に含まれるかも確認しましょう。
安い構成でも、必要な照合作業や転記が残れば、人の作業時間が継続して発生します。料金と合わせて「自社に残る作業」を比べると、業務の目的に合うか判断できます。
公的個人認証と免許情報の読取を混同しない
公的個人認証サービス(JPKI)は、マイナンバーカードの電子証明書を使う仕組みです。デジタル庁は、民間事業者による利用や導入に関する情報を公開しています。デジタル庁のJPKI案内
マイナ免許証の免許情報を読む処理と、JPKIによる本人確認は、目的や扱う情報が異なります。サービスの紹介で両方の名称が出てきても、「どちらの処理で、何が確認できるのか」を個別に確かめてください。
レンタカー受付で必要な免許の種類・条件・期限が確認できるかは、免許情報の対応範囲として確認します。JPKIに対応しているという説明だけで、運転資格の確認まで任せられると解釈しないことが大切です。
導入前のテストと見積もり依頼を具体化する
同じ条件で候補サービスを試す
必要なカード、店舗端末、受付件数、混雑時間帯、記録項目を揃えて試します。実測する場合は、読取成功時だけでなく、説明や修正、再試行を含む受付全体の時間も記録します。体験していないサービスの速度や精度を、紹介文だけから順位付けしないようにします。
試用の記録は「処理が速かった」だけでは不十分です。誰が、どの端末で、何のカードを使い、どの作業まで終えたかを残すと、店舗間でも条件を比較できます。
見積もり依頼には業務の前提を添える
店舗数と端末数、月間の確認件数、対象書類、必要項目、連携先、導入希望時期をまとめます。加えて、紙の帳票を残すか、既存の会員登録を使うか、どの部署が運用を担当するかを伝えます。
回答は「標準機能で対応」「設定・開発で対応」「対象外」に分けてもらうと比較しやすくなります。未確認の機能を見積もりに含めた前提にせず、追加費用と納期を確かめてから選定します。
stera端末を使う店舗で検討できる構成
株式会社amsのマイナドライブIDは、stera terminal standard上で免許情報を読み取り、合意済みの必要項目を基幹システムへ連携する店舗向けサービスです。レンタカー受付で、利用者のカード読取と予約・会員情報への受け渡しをまとめて検討する場合の選択肢になります。
一般的な遠隔eKYCのすべての機能や、すべての本人確認書類への対応を約束するものではありません。本人との照合や貸渡可否の判断は店舗の手順と組み合わせます。対応端末、取得項目、接続先、例外対応を導入相談で確認してください。
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